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コーヒー好きだけど、カフェインの刺激が苦手という方に人気の「カフェインレス」コーヒー。日本では「デカフェ」とも呼ばれ、健康志向の方々から注目を集めています。しかし、その製造過程で使用される化学物質に不安を感じる声もあります。果たして、デカフェは本当に体に良いのでしょうか? 米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記事をもとに、意外な事実をお伝えします。

Is Decaffeinated Coffee Bad for You?

カフェインレスコーヒーの秘密:デカフェイン処理とは

カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒー豆からカフェインを97%以上取り除いたものです。その方法には主に2種類あります。

  1. 化学物質を使用する方法:メチレンクロライドまたはエチルアセテートという化学物質を使用します。
  2. スイスウォータープロセス:水だけを使用する方法です。

テキサスA&M大学のコーヒー研究教育センター助教授のエリック・ブレナー氏は、「午後にコーヒーを楽しみたいけど、夜眠れなくなりたくない人たちにとって、デカフェは魅力的な選択肢です」と話しています。

化学物質は危険? 専門家の見解

デカフェイン処理に使用される化学物質、特にメチレンクロライドについては健康への懸念が指摘されています。しかし、カリフォルニア大学デービス校の化学工学科長トーニャ・クール博士は、「デカフェインコーヒーを飲むことで危険なレベルのメチレンクロライドにさらされることは、事実上不可能です」と説明しています。

その理由は以下の通りです:

  1. 使用量が極めて少ない:米国食品医薬品局(FDA)の規制により、デカフェインコーヒーに含まれるメチレンクロライドは0.001%以下に制限されています。
  2. 焙煎過程で蒸発:コーヒー豆の焙煎温度(約180~240℃)は、メチレンクロライドの沸点(約40℃)をはるかに超えているため、ほぼ完全に蒸発します。

エチルアセテートについても同様に、コーヒーに含まれる量では健康上の問題はないとされています。

デカフェは実は安全

「デカフェインコーヒーを飲むことに関連する健康上の危険性は、私の見解では全くありません」とクール博士は断言しています。この見解は、多くの専門家に支持されています。

しかし、化学物質の使用に不安を感じる方もいるでしょう。そんな方には、スイスウォータープロセスで作られたデカフェインコーヒーがおすすめです。ブレナー氏は「どの方法で作られたデカフェインコーヒーも完全に安全です」と付け加えています。

安心して選ぶには?

デカフェインコーヒーの製造方法を知りたい場合は、パッケージのラベルをチェックしましょう。「Water Process」「Swiss Water decaf」「Swiss Water decaffeinated」などの表記があれば、化学物質を使用していない方法で作られたことがわかります。

不明な点がある場合は、ブランドやメーカーのウェブサイトで確認することもできます。「この情報は秘密ではありません。すべての情報が公開されています」とブレナー氏は言います。